下の奥歯の特殊な根管の精密根管治療
こんにちは、くまざきデンタルクリニックです✨
今回はマイクロスコープを用いた精密根管治療についてご案内します😊
精密根管治療とは?
精密根管治療とは、従来肉眼で行っている根管治療を歯科用顕微鏡であるマイクロスコープを用いて行う方法です。
肉眼では確認することが不可能な歯根の根管内を、マイクロスコープを用いて確認しながら治療することで、根管治療の成功率を上げることが可能であると報告されています。
根管治療を難しくする樋状根(C-shaped Canal)
歯の根の中にある、神経や血管の通り道である根管の形態は一人一人違っており、曲がっていたり、細くなっていたり、円柱状や楕円など様々です。
特にアジア人の下顎第二大臼歯(下の歯の前から数えて7番目の歯)に多いと言われる、樋状根(C-shaped Canal)は根管が雨樋やアルファベットの『C』の形をしているためそのような名前で呼ばれます。
上の写真は根管を真上から見ており、雨樋の形や『C』の形に似ています。
根管治療はすべての根管の中を清掃し、薬液で洗浄し、根管内の細菌の数を可及的に減らす必要があります。根管が真っ直ぐで体積も少なければ洗浄も容易ですが、このように樋状根の場合は、その体積も多く、形態も複雑なため従来の肉眼での根管治療では根管内すべてを洗浄し綺麗にすることが大変です。
樋状根に対する精密根管治療
下の一番奥の歯が大きくむし歯になってしまい、むし歯が歯の神経にまで到達してしまったため、根管治療が必要となりました。
まずはむし歯を完全に取り除き、歯科用の樹脂を用いて歯の周囲を補強し根管治療が行える状態にします。歯の周囲を覆う樹脂の壁によって、精密根管治療時のラバーダム防湿を行う事が可能となり、また治療後の仮の蓋も取れにくくする事が可能です。
樹脂の壁を作ることにより、このようにゴムのマスクであるラバーダム防湿を行う事が容易となり、唾液が入らず無菌的な治療が可能となります。
この樋状根の内部を細い超音波の器具や、ニッケルチタンファイルなど、さまざまな器具を用いて細かいところまで洗浄していきます。
根管内すべてが綺麗になったところで最終的な薬を根管内の隅々まで充填していきます。
精密根管治療で用いる根管治療の最後に充填する薬(根充剤と呼ばれます)は、バイオセラミックの一つで、流動性がよく根管内の隅々まで行き渡っていきます。
特に今回のような樋状根ではこの形態に沿って隙間を埋める事が可能です。
バイオセラミックを充填した後に、鞘となるメインポイントと呼ばれる材料を根管に差し込んで根管治療は終了です。
精密根管治療はマイクロスコープを用いて根管の形態を確認し、専用の器具を用いる事で隅々まで洗浄を行っていきます。
今回のような樋状根においては、隅々まで流れるバイオセラミックは大きなメリットです。
今回行った治療は
治療内容:下顎第二大臼歯の精密根管治療・樋状根(C-shaped Canal)
費用:精密根管治療大臼歯132000円、CT撮影15000円(自由診療・税込)
治療回数:精密根管治療3回
リスク:精密根管治療、従来の根管治療に関わらず、根管治療を受けた歯は歯根破折を起こすリスクがあります。
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