予防歯科
予防歯科
むし歯も歯周病も口の中にいつもいる細菌(常在菌)によって引き起こされます。いつもは細菌同士でバランスを保っており(symbiosis)、特に悪さをするわけでもなく病気も起こしません。しかし、その細菌同士のバランスが崩れると悪さをする細菌が増え(dysbiosis)、むし歯や歯周病が引き起こされます。当院の予防歯科では、どのように細菌同士のバランスを保っていくかdysbiosisにならないためにどういった口腔ケアを行っていくのかを提案します。また、むし歯や歯周病のリスクは一人一人異なるため、各々のリスクに合わせた予防歯科を行います。予防歯科で大切なことは、歯科医院で定期的に行うプロフェッショナルケアと、ご自身で行うセルフケアを十分に行うことです。歯科医院ではフッ素塗布や口腔内診査、歯垢や歯石の除去(PMTC)、歯磨き指導や日常生活で気をつけることなどを説明します。そしてセルフケアでは、可能な限り歯垢を取り除き口の中に細菌が増えないようにしていきます。むし歯や歯周病の治療が終わった後も、再発しないように予防歯科を続けましょう。
誰しもむし歯や歯周病になりたいと思う人はいないと思います。しかし、昔の歯科治療は、むし歯ができたら削って詰めて終わり→むし歯になって今度は大きな被せ物を装着し→再度むし歯になって抜歯することに、とその場しのぎの治療が行われていました。また、歯周病は自覚症状に乏しいため、治療されずにそのままになることもありました。様々な研究から、むし歯も歯周病も口の中の常在菌のバランスが崩れることで発症することがわかり、むし歯や歯周病に対する考え方が変化してきました。この常在菌がいる以上、むし歯や歯周病は完治することがなく、むし歯や歯周病にならないための予防歯科、むし歯や歯周病を治療した後の予防歯科、この両方の予防歯科を行っていくことが大切です。
小児の予防歯科はとても重要です。もともと口の中には細菌はいませんが、周囲から口の中に細菌が入り定着していきます。口の中にプラークが多く不潔になっている状態だと、むし歯や歯周病の悪さをする細菌の割合が増えてリスクが高くなります。子どもの時に身についた歯ブラシの習慣やおやつの正しい食べ方、むし歯や歯周病に対する正しい理解と知識は、大人になっても忘れることがなく、生涯に渡り口の中の健康につながっていきます。また、小児のむし歯は急速に進行するため、リスクを早めに把握し適切なケアを行う必要があります。
妊婦さんを対象にした予防歯科のことで、お母さんに出産前後の歯の健康についての知識を身に着けてもらうことで、出産のリスクを高めないこと、生まれてくる赤ちゃんのむし歯を予防し口の健康を守ることを目的をしています。近年、妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)は、早産および低体重児出産へのリスクが高まることがわかってきました。これらは妊娠中に増加する、女性ホルモンのエストロゲンが大きく関わっているといわれています。エストロゲンが歯肉を形作る細胞を標的とし、また歯周病原細菌の増殖を促ことが知られています。つまりお口の中が、歯ぐきの炎症を起こしやすくい環境となり、歯周病が非常に進行しやすくなります。妊娠中期から後期にかけて女性ホルモンが増加するため、さらにリスクが高まります。出産とともに元には戻りますが、清潔な状態を保つことで炎症を抑えることができるため、プラークコントロールを心がけてください。歯周病は予防可能な疾患であり、赤ちゃんのために確実な歯周病予防を行いましょう。
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むし歯や歯周病は口の中の常在菌のバランスが崩れることで引き起こされます。予防歯科を行うことでむし歯や歯周病になるリスクを最大限減らすことが可能です。予防歯科を行っていてもむし歯や歯周病が進行することがありますが、定期的に診察を受けていることで早期発見・早期治療が可能です。